気ままにおしゃべり

ミニエッセイ

あ-との祭り

2017/6/26

<アケタの店/西荻窪>

20170626_all.jpg

Live

「ひつじレポート」

リハはすでに済んだようで、
店内に入るとバンドメンバーがリラックスした様子で
それぞれのことにいそしんでいた。
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「こんばんは、しばらくです」
とあいさつすると
それに対して返ってきた亀山さんの笑顔が
何だかものすごくチャーミングだったことに、
うれしい気持ちでびっくりしたひつじである。
開演までは、
その時間にまだ進行真っ最中であった
棋士藤井4段の29戦目の話で持ち切りだった。

Beatrice (Sam Rivers)
The Everywhere Calypso(Sonny Rollins)
I Can't Get Started(Vernon Duke)
Milestones(Charles Parker)
The Old Country(Nat Adderley)
Soultrane(Tadd Dameron)
Eclypso(Tommy Flanagan)
Greetings To Idris(Pharoah Sanders)
Bye Bye Blackbird (Ray Henderson)

<Beatrice>

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私が山崎バンドの演奏を聴きはじめた頃には、
この楽曲が、
まるでその日のライヴの始まりを告げる
バンドからの挨拶でもあるかのように、
必ずステージの1曲目の座を占めていたことを思い出す。
その後も折につけ演目に取り上げられては来たものの、
こうして思いがけず久々に耳にすると……、
小躍りするような期待感を持ってアケタの店の階段を降りては
月に一度の彼らのライヴに通っていた際の
当時の自分の境遇やら心境やらが思い出され、
送っていた日常のまるごとの中に引き戻されるような気がして、
ひどく懐かしい気がする……。
あの頃から、もうかれこれ20年が経とうとしている。
タイトルはRivers氏とはベストカップルであった奥さんの名前。
月日はパラレルに流れて、
2011年暮れにそのRivers氏も88歳で亡くなった。

<The Everywhere Calypso>

初盤から弾けたカリビアングルーヴに、
梅雨空の戸外を忘れて、
店内にはひととき夏の扉が開かれた。
そこに、眩しい日差しや熱風を呼び込む
後半のドラムスソロがごきげん!!!

<I Can't Get Started>

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ピアノをフューチャーしての演目。
独自なアドリブのイントロに
(あれ、これなんて曲だっけ!?)
と、しばし耳を凝らす。
聴き覚えのある楽曲であることは確かだった……。
しかしながら、
そのことを訊きかね言い出しかねてしまうほどに、
バンドの希有なインタープレイの度合いが
お馴染みの演目を大化けさせた。
いつもとは違うイメージ、景色、世界の中で、
私はいつかしら、
しあわせな迷子を嬉々として受け入れていた。

<Milestones>

食いしん坊なひつじが、
この楽曲、演奏をケーキの食べ応えにたとえるとするなら、
ふんわりしたシフォンケーキではなく、
いろいろなくだものが焼き込まれた
重量感のあるパウンドケーキを思い浮かべる。
殊に後半のドラムスとメンバーとのフォーバースでは、
ずっしりとしたさまざまな味のサウンドハーモニーが広がって
その美味しさが弾けた!

<The Old Country>

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ゲストのお二人が加わっての美しい楽曲。
懐かしさ愛おしさの滲むその演奏が、
そっとしまい込んでいた自身の中の想い出の琴線に触れて、
こみ上げてきて止まないものが胸の内に溢れ返った。

<Soultrane>

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Dameron氏が、
まだ初々しい頃のJohn Coltraneのために作った曲とのこと……。
そう思って耳傾けるせいか、
成熟したバンドの演奏の中にさえ、
瑞々しい滴りや眩しさ、
切なさや甘酸っぱい何かを感じて聴き惚れてしまった。

<Eclypso>

ドラムスはイントロとエンディング前のソロで
ハイテンションなスティックさばきを披露。
テナーピアノのソロ・アドリブは共にのびやかな躍動感を見せ、
抑制の利いたベースの支えが演奏全体を引き締めていた。
タイトルは造語ですかね……!?

<Greetings To Idris>

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Sanders氏が若きドラマーIdris Muhammadを念頭に作曲したもの。
渾身のハイプレイで序盤からバンドの意気を牽引したサックスと
中盤のベースインプロビゼーッションが圧巻!
客席の一番後で、
山崎バンドの若きShigeyo=Idris Honda氏がこの演奏を見つめていた。

<Bye Bye Blackbird>

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客席からのアンコールに応えての演目。
ライヴの終わりを飾る、
メンバーからの挨拶といえる……かも。
* *
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それにしても……、
<Beatrice>
<Soultrane>
<Greetings To Idris>といい、
誰かから誰かへの、
人間性や個性への<愛情>や<尊敬>の念が作品となり、
それが演奏の中で脈々と受け継がれ伝え続けられていることに
感動していた。
一人の聴き手として、
これからのジャズ自体が、
さらに新しい<敬愛>の念を育くみ、
進化して行くことを静かに願った。
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イラストは、
今このときの私の中にある
目に見えない<敬愛>のイメージ……。
-----
* * *
ひつじ
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